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耳の病気(2) 難聴など

耳の疾患②

難聴 めまい 耳鳴り

音は外耳から入り、中耳、内耳と伝えられます。内耳で音波は電気信号に変えられて神経を介して脳に伝わり、音として認識されます。

これらの経路のどこに障害があっても「きこえ」は悪くなります。「きこえ」の悪いことを難聴といいます。

難聴には伝音難聴と感音難聴の2種類があります。伝音難聴は外耳、中耳が原因、感音難聴は内耳が原因である難聴を指します。

内耳は「聞こえ」の他に、体のバランスをとる平衡器官でもあります。ここでは感音難聴と耳鳴り、めまいについて説明します。

急性感音難聴

(1) 突発性難聴

原因・症状

ある日突然、きこえが悪くなります。耳鳴りやめまい、吐き気を伴うこともあります。様々な原因による難聴の中で、内耳に異常が生じるもので、原因が明らかではないものを突発性難聴と呼びます。原因はウイルス感染や内耳の循環障害とも考えられていますが、今のところ明らかになっておりません。

治療

治療を開始する時期が早いほど治りやすいといわれています。治療の基本は副腎皮質ステロイドの点滴または内服治療で、ATPなどの血管拡張薬やビタミンB12製剤を併用します。治療にて完全に良くなるのは約3割の方で、残りの方はある程度の改善か、改善が見られない方もみえます。

(2) メニエール病

原因・症状

内耳のリンパ液が過剰になり「むくみ」により起こる病気で、急なめまい、吐き気とともに難聴、耳鳴り、耳の閉塞感が起こります。発作を繰り返すと難聴が進行していきます。

治療

当院では主に利尿薬を用います。難聴の程度、経過によっては副腎皮質ステロイドを用いることがあります。改善することが多いですが、一部の方は再発を繰り返します。

その他の感音難聴

加齢による難聴や騒音による難聴、薬剤による感音難聴、原因不明の特発性感音難聴、他の疾患による感音難聴(糖尿病、脳腫瘍、膠原病など)があります。

めまい

原因・症状

めまいには 周囲がぐるぐる回るようなめまい(回転性めまい)と雲の上を歩くようにフワフワする(浮動性めまい)があります。その他にも「吸い込まれる」「テレビや新聞がしっかり見られない」などの症状もあります。

代表的な原因としては前述の「突発性難聴」や「メニエール病」の他に前庭神経炎、椎骨脳底動脈循環不全、良性発作性頭位めまい症などがあります。その他には、小脳・脳幹の梗塞、出血や、聴神経腫瘍が原因のことがあります。

治療

症状の起こり方や強さ、眼振検査、聴力検査などで診断し、内服薬もしくは点滴の治療を選択しますが、更に詳細な検査が必要になる場合があります。

耳鳴り

原因・症状

耳鳴りとは自分にだけ音が聞こえてくる状態をいいます。耳鳴りには、セミの鳴き声のようにジーンと聞こえる場合やキーンと金属音が聞こえてくる場合などがあります。

耳鳴りの原因は、音を聞くための機能の中耳、内耳そして聴覚中枢の経路のいずれかが病気などにより障害されることで起こる場合や、全身疾患などの体全体の不調から生じる場合があります。

一般に内耳の部分の病気で生じる耳鳴りが多くを占めるとされています。また、ストレスや疲労蓄積、糖尿病や血圧異常などの全身疾患が原因でも耳鳴りが生じる場合があります。

治療

耳の診察、検査によって中耳炎など、原因が明らかな場合は、原因に対する治療が原則です。その他の場合はビタミン剤、血管拡張薬や代謝改善剤、漢方薬などの内服薬の中で効果をみながら選択をします。内服療法で軽減することが多いですが、難治性の場合はTRT療法という機器を用いる場合があります。

患者さんご自身にもストレスをためないようにすること、十分な睡眠、適度な運動、規則正しい生活をお願いし、耳鳴りを気にしすぎないことをお勧めするようにします。

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